葉っぱのぐそをはじめよう すこし物足りないというか駄目

「はっぱのぐそを~」は伊沢正名先生の新作である。去年出てたのを最近知った。タイトル通りに葉っぱを使ってのノグソの仕方について書いてあります。ティッシュペーパーは自然に還りにくいそうです。著者は達人ですから水洗いのセットを持ち歩いていますが、野山で急にもよおした人やビギナーでインド式はまだ無理って人への本ですかね。
ノグソQ&A形式で基本を説明したり、様々な種類の葉っぱの拭き取り具合を試して細かい評価がつけられています。また女性のためにノシッコ(野ション)の場合は何が良いか…とか。
後半は植物図鑑風の拭き取りやすい葉っぱの紹介ですが、フキはいけません。葉っぱだけならともかくフキノトウで拭くとか罰当たりもはなはだしい。天ぷらや味噌和えにしたら最高のごちそうなのに。これで評価は大幅マイナス。これを限りに伊沢信者は卒業です。非常時ならともかく、私ならmont-bellで出してる水溶性のティッシュやトレペを持っていきます。
前作「くう・ねる・のぐそ」を読んだ方には物足りないんじゃないかな。前作の半分も面白みがありません。さらにわざとかどうか下手な挿絵が不快な印象を高めてくれます。
これを読むくらいなら先に下記の2作がおすすめです。


 うんこはごちそう
子供用の絵本です。図書館で借りましたが児童書の分類はまぎらわしくて図書館員に尋ねたら微妙な笑いと共に案内してくれました。よほど子どもたちに人気の本なのか発行年のわりにはすでにボロボロです。特殊な本ですからね、図書館員が疑問に答えるようにつぶやきました。
別にスカトロものではありません、子供向けですから。ウンチが野生動物やきのこ等、菌類のごちそうになって自然に還っていくという生命のサイクルを教えてくれます。豊富な写真による自然回帰の説明はインパクトがあり、もしかしたら学校推薦図書か読書感想文指定にでもなっていたのかなとも思われます。小さいうちに、こんな本に出会えた子供たちはラッキーだと思う。

 くう・ねる・のぐそ
 著者の不登校の高校時代に野山を駆け回った話からはじまり、キノコに魅せられて仕事の合間に撮影を続けた結果、菌類写真家として出版や講演を行うまでになり、講演のおまけみたいなノグソの話が評判を呼び、野糞研究家として認められるにいたった経過がおもしろおかしく書いてあります。
内容はいたって真面目ですが1万2千回の野糞記録とか3000回を越える連続野糞記録は伊達や酔狂でできるものではありません。海外出張や入院など記録の邪魔になる困難に打ち勝つ姿も凛々しく描かれています。東京都内でもよおした時にビルの植え込みの陰で臭いを飛ばさないように注意しながら任務を遂行する様は涙なくしては読めません。もちろんリサイクルの素晴らしさやコトに及ぶ時のマナーについても詳しく書いてあります。「はっぱの~」に比べてこちらは間違いなく名著です。巻末の著者の力作とも言える写真の数々は袋とじとなっていて買ってからのお楽しみになります。私のは文庫版ですが袋とじは破らずそのままです。今は見れないけど以前アマゾンで袋とじ部分は拝見しましたので、意識が飛ぶほどの衝撃的画像はもう見なくてもいいからです。