1年ぶりの某ラーメンと牛丼チェーン

  Y町のアパートの掃除に行ったときに久しぶりに幸楽苑でラーメンを食べた。

去年の秋は母の入院やら宅建試験やらなんやで体調を崩していた。食欲は無いし酷い便秘になってて死の予感すらした。

そんなとき親戚のおばちゃんがラーメン屋に誘ったので付き合ったものの、無理に食べてお冷を二杯お替りしてしまったのが悪いのが吐き気がこみあげてきた。これほど強い吐気は、20代のころの飲みすぎ以外は5年前の急性胃炎の時ぐらいか。まさか我慢できずに駐車場でやっつけちゃうとは思いもよらなかった。そのあと運転しながらもどして車内は汚物でまみれて臭いし、となりに座ってるおばちゃんは心配するよりも呆れてる。

ラーメンに罪は無いもののそれ以来その店に入る気にはなれなかった。

しかしY町には食べ物屋さんが少ないのだ。100円ショップもヨークベニマルもある大都会なのに不思議なことである。その貴重なラーメン屋さんに入ると昼時なのに珍しく空いていた。いつも年配の客を中心に混んでいるのに。

注文は当然のようにタブレット操作である。しかしこいつが分かりづらい。まず最初にキャプテン翼の画面からの操作が見当もつかない。スタートのダイヤログがないか必死に探す。

運よくスタートしてもそこからが意味不明である。目当てのラーメンを見つけてもそこから画面が変わって大盛かどうかとかトッピングとか煩わしい。プルダウンメニューやサブ画面でなら話も分かるが、いちいち画面が変わるとショックで記憶が飛んでしまって、今何を注文してるか、なにをしているか、ここはどこ?わたしはだあれ?状態になってくる。

白河市幸楽苑ではメニュー操作がわかない人は気軽に呼んでくれと言ってたのでここでも気軽に呼んでみた。

しかし、店員はオーダーを伝えても無視してタブレットを操作してくれという。教えるからと。講師様のいうとおりに操作して、ようやく無駄に足の長いサッカー選手が消える。しかしそのあと、店員もアレ?ちょっと待って状態である。店員さんも操作の難しいタブレットなのである。マゴマゴしながら時間はかかったものの、ようやく注文が叶った。

 

「店員も操作できないもんを置くなよ」とやんわり伝えると店員さんは苦笑い。数人の客がこのやり取りを注視していたように見えるのは気のせいか。激しく同意していてくれるといいのだが、メニュー操作もできないジジイは来るんじゃねーよと思われていたとしたら残念である。

安いのは確かだ。大盛でふつうの価格だと思うのだが、量を減らして安くするそのいやらしい価格設定が檜原湖の山塩ラーメンみたいで初見の客に不親切だと思う。

まあ、たぶん幸楽苑は当分いかないと思う。

 

 つい先日、退去時にちゃっかりアパートに備え付けのガス台を持ち帰った人が返してくれた物をアパマンショップまで引き取りに行ったその帰り。

昼時もちょっと過ぎたころ、久しぶりに牛丼を食べようと寄ったけど食券機が変更になっていた。こいつがまた俺には難解な設定である。のぼりに出ていた親子丼が食べたかったのにいくら丼ものを選んでも出てこない。後ろに並んだ客も気になる。先に並んでいたお兄ちゃんがなかなか決まらずにイライラしていたけど、なるほどメニュー操作の券売機は不親切である。「牛丼並」とか「親子丼大盛」のボタンだけなら簡単なのに。あきらめてなんとか画面を出すことのできた牛丼の並と大盛を選んだ。負けたのだ。機械に屈服したのだ。

ルフレジを華麗に制した男も、タブレットや券売機にはなすすべがなかった。

これで入れない店が増えた。これから年を経てますますわからんようになって、外食はできなくなって餓死してる自分の姿を想像しながらカウンターで待つ。

注文来るのが遅い遅いと思ったらいわゆるワンオペのようだ。昼過ぎとはいえ、まだまだポツポツ客が入ってきてるのに女の子ひとりで廻している。弁当と店内食を選べるのならカウンター席にタブレット置けばいいのにと幸楽苑が偉く思えた。

奥を見ると持ち帰り専用の窓口があるのに気づく。あっちの窓口なら口頭で注文できたのかなと考えているとようやく注文が来た。アパートに戻ってガス台を設置した後に食べようとしたら箸がついてなかった。

ふたで食べた牛丼はなんか薄味だった。