キッチン扉のリメイクシートは意外と難しいがこれは満室大家さんへの修行の道なのだ

 前回壁紙を貼り替えてから数年経った。DIY魂みたいのがまたふつふつと湧き上がって何かいじるものを探してキョロキョロしている。目をつけたのはキッチン台の下の扉。ダイソーに売ってるリメイクシートを貼ればたちどころに新品同様になるはずなのだ。去年、扉の下部がふやけて膨らんでいるので扉の交換だけ大工にお願いしたらキッチン台ごと交換しろって言われた。どこでもそういうものらしい。しかし今どきのキッチン台は高価で、取り付けまで頼んだら安い中古車なみの値段なのだ。
しょうがないのでふやけた扉の裾をカッターで処理してパテ埋めしてから軽くサンダーをかけた。おおむねこの程度かなと思ったところでダイソーで買った大理石プリントのリメイクシートを貼ってみる。
扉幅よりシートが狭いため柄合わせが出来ないが見た目は意外といいかもしれない。気に入った。調子に乗って「木目柄」と「タイル柄」を追加で購入。こっちなら柄合わせは容易だし合わなくてもそれほど目立たないはず。しかしコイツがくせものだった。柄合わせは問題ないが、商品の入荷時期のせいなのか、もともとの品質が悪いのか、タイル柄の方は粘着力が足りずに畳みグセのついた部分が浮き上がってしまい時間が経つと端の方から剥がれてきてしまう。それに印刷が貧弱で立体感がなく、遠目にもタイルには見えない、ただのチェック柄だった。
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re6木目柄の方はきれいに貼れたものの、やはり印刷が安っぽく漫画絵のようだ。立体感も無く木目調のスジが走ってるだけの落書きのよう。しかも素材はビニールではなく紙なのか?巻きを止めてるテープを剥がしたときにプリントがあっさり破れてしまった。薄いのにもほどがある。キッチン扉も全部で6枚。要尺計算すると通販で全体をやろうとしたらシンク下だけでもそれなりの要尺が必要だ。
 アマゾンで購入した大理石柄はたっぷり61cm×5Mで2000円弱。しっかりとして厚みもあり、プリントもキレイだ。柄ゆきはそれなりで高級感は今ひとつだが貼ってみればそれなりに見える。最初の一枚目は空気が入って失敗したものの、次からは専用工具をつかったせいもあって上等の仕上がりだ。結局ダイソーのは無駄になった。最初の大理石と木目柄を剥がして貼り直す。すべて同じ柄で貼り直すと圧巻である。これで2000円でまだシートが残っているのだから安上がりなんてもんじゃない。扉だけ新品に交換しても10万コースなのに、ドアハンドルを交換しても3500円、今年は大きな買い物があるので節約せねば。
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欠点はシートが薄いために小さなホコリ粒を拾っても表面にでてしまうってことか。最初の一枚目だけは気泡が入ったり歪んだりして見た目がよくないのと、引き出しの3番目だけ逆に張ったのか柄が逆さ向きなのが気になるっちゃ気になる。まああとで貼り直してもいい。
余ったシートをガラケーに張ってみたりするがこれは失敗。剥がしたら塗装が剥げてみっともなくなった。ただでさえ肩身の狭いガラケーをますます人前で出しづらくなった。
とにかくあちこち貼りたくなる。子供の頃にどこへでもマンガのシールを貼りまくった頃と同じ気持ちなのかもしれない。なんで子供はあんなに夢中になって怒られても怒られてもシール貼りをやめない理由が今わかった気がする。

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自分では家の中を美しく変えているつもり(両親や大人にとっては汚くなっていく)だったのが嬉しかったのだろう。
ああもっともっと貼りまくりたい、キッチン扉がもっと欲しいのだ。壁紙貼りの欲望が治まっていたと思ったら、こんなところでDIY熱がもこもこと隆起してきた。多分コレは人間の原始的欲望を満たすための代替行動の一種に違いないのだ。そうでなければこんなに夢中になるほど欲望渦巻くわけがない。
ひそかに他人の家に入り込んでキッチンリメイクするわけにもいかず、このいやがうえにも湧き上がるDIY欲を鎮めるためにはやはりオンボロアパートでも買って空き部屋のキッチンはもちろん、床や壁をリフォームしまくるしかないのであろう。天から与えられた類まれなるセンスでリフォームされた部屋は、きっとそのクオリティの高さゆえにデザイナーズマンションを差し置いて入居の応募者が地の果てまで列をなすに違いないのだ。やっぱりアパート買おう。
 掃除したらでてきた十数年溜め込んだフライパンの数におどろく。燃えないゴミとメルカリとどっちに出そうかな。