ファスナー修理 スライダー交換

 春に購入した自転車用のウインドブレーカーが見当たらない。色が気に入っていたのに、ここ数日家中どこを探しても見当たらない。ネットで「失せ物が見つかるおまじない」を試してみるが効果がない。いずれすぐにダウンの季節がやってくるのだがそれまではインナーで調整しながらウィンドブレーカーで過ごすのがここ数年のサイクル。
自転車用にはもう一着あるのだがストレッチ性のない地味色なのでほとんど作業着になっている。視認性の高いのをとオレンジやイエロー系ばかり着ている。
あきらめて新しいのを買うと以前の物が嫉妬心から現れるってのはよくある話。
どこかに脱ぎ忘れていたとしても来年の春までは出てくるだろうから新たに買う必要もないだろう。
ということでネットのフリマできれいな色のをゲット。到着品をチェック。一応ブランド品なので素材も悪くないし、細身に見えるしストレッチも効く。デブにはいろいろ気に入った点も多い。欠点はファスナーのスライダーが折れていること。もちろん自分で修理するつもりで買ったので問題はない。同時にアマゾンで注文したYKKのスライダーも次の日に到着した。

 久しぶりの修理案件に心が躍る。
実のところモノの修理や補修が大好きなのだ。なにか壊れるとがっかりする反面ひそかに喜んだり、こいついじってみたいから故障しないかなとか。修理は男のロマンなのだ。
といっても最近の家電製品はほとんど修理不能である。半田ごてで基盤のライン補修など昔の話、むりに修理しても必ず不具合がでたりするので、たいがいは基盤まるごと交換になる。壊れたり、修理前提で購入した中古パソコンは復活せずにほとんどそのままゴミになった。回転式モップも安物樹脂パーツがすり減って修理不可。靴底の補修品は履きごこちが悪くて1回で捨てた。バスルームのアクリルガラス交換はギリギリセーフだったものの心臓に悪かった。
小学生の頃からありとあらゆるものの修理に携わったがまともに修理できて復活したものはほとんどない。よけいな時間と金をかけてトドメをさされゴミとなったのがほとんどで、当時は家族に破壊屋の称号を受けた。
それでも年の功で自転車のパーツ交換による修理ぐらいなら出来るようになった。パンク修理に関しては100%の成功率を誇る。(まあ普通なのだが)
いまどきは直すくらいなら買ったほうが安いし、そのほうが経済が回るって話だが、それでも修理への情熱は捨てがたい。業者しか入手出来なかったパーツも今は通販で簡単に手に入る。部品交換で済む程度のものはちょっと手先が器用なら簡単だし、修理料金の節約にもなるし、好きならやらなきゃ損である。

 先日故障した3年めのパロマのビルトインコンロはさすがにプロに依頼した。出張修理で3時間近くもガッチャンガッチャン格闘してパーツを交換して帰ったが、バーナーをずらしたせいで上蓋が取り付けできなかった。ブツクサ言いながらもう一度来て直していったら今度はグリルが点火しなくなった。翌日別の人が来てとりあえず着火するようにして帰ったが、以前のようには使えず途中で火が止まってしまって楽しみしてたサンマは生焼けに。これ以上どうもならんのでパロマに相談してくれと販売店は言う。それはいいけど修理代は誰がもつんだ。
プロでさえこの始末。こっちを直せばあっちを壊していくのだから私の子供時代と大差ないでないか。とりあえずパロマはもう買わない。

 ファスナーだが、それぞれ違うサイズを2種類頼んだつもりだがナンバーを見る限り両方共「5番」だった。形の違いで大きさが違って見えたよう。
だがジャケットなどにはこのサイズでぴったりだったようで無事交換終了。これで送料込みで490円なのだからついでにサイズや色違いで100個も買っておけばよかった。
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 ファスナーはたいていの場合スライダーの引手が壊れる。ネットで買える補修品は幾種かあるが、引き手自体を交換するタイプは引き手そのものや押さえる金具が弱かったりするのですぐに壊れることが多いとのレビューがある。
やはり直付けタイプのスライダー本体ごと交換しかない。クランパーと引き手を組み合わせたタイプは接続部分が切れやすいのでジャケットでもこのタイプを使ってるのは買わないようにしてる。(デザイン性で最近増えてるような気もするが)
交換は破壊屋の私でも簡単。上部端のファスナー止めを外して(ファスナー生地を傷めないように慎重にやるとけっこう神経使います)、次に新しいスライダーを差し込んだら付属のファスナー止め(U字型の押え)を生地に挟み込んでプライヤーで顔を真赤にして締め込む。少し曲がったりずれたりは気にしない、スライダーが引っこ抜けなければいいのだ。
 うまいこといったのに気を良くして次の獲物に取り掛かろうと、ファスナースライダーが壊れたままのジャケットやコート、バック等、いくつかあったのを探してみるが見つからなかった。しばらく経つのでいつの間にか処分してしまったようだ。せっかく補修品を買ったのに残念。ファスナーが壊れると使いものにならないし修理も高くつくのでたいがいは捨ててしまう。それだけに服やカバンを買うときにはYKKのファスナーであることを確認してから買っている。
それでもまれに壊れてしまうことはある。
でもこれで安心。今度は壊れそうなファスナーが付いた安いジャケットを買おう。

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