中古車は50万までがいい

7~8年落ちの中古車なら30万程度で買える。
諸経費入れても50万にはならない。
中古車デビューのセフィーロは8年落ちを横浜の山の中腹にあった中古車屋で35万で購入。県外への納車費用込みなので大変買い得かと思ったら、まっすぐに走らなかった。苦情を入れたとたん中古車屋Mはヤクザに豹変したので泣き寝入りだった。故障続きで5年で手放した。
次も懲りずに中古のティアナ7年落ちを諸経費と納車費用、全てコミコミで50万ちょうど。安いと思ったら車庫証明と名義変更は自分でやらなきゃいかんらしい。面倒くさそうに書類を受け取る警官に作り笑いをしながら車庫証明を申請した。納車されたばかりの慣れない車で暴走ミニバンとの事故を回避しながら福島市陸運局まで行って名義変更をする。そんな高度なミッションを当然のように課す中古車屋の社長は偶然にも大学の同窓生だった。
苦労した甲斐あって、初期型ティアナは故障ひとつなく6年間快調に走ってくれた。いわき市で生産されたVQエンジンは静かで心地よく、乗り換えるのがもったいないくらいだ。
 
 アパートが欲しくって昨年末から走り回ってる。週に何度か町内や隣町まで程度を走るだけだった日々に比べると、今年に入ってから物件を見て回るのにその何倍もの距離を走ってきた。満タンなら2~3ヶ月もったガソリンを、ひと月に2~3回給油することもあった。70L入るタンクに財布の中身が吸い取られるようで泣きながら給油していた。8km/Lの燃費ではさすがに限界、プリウスとアクアを持つ兄夫婦には、なんでそんな車に乗るのかと不思議な顔をされる。
 少し燃費の良いくるまが欲しくなったのも仕方ない。ハイオクからガソリン仕様になってから弱々しくなったVQエンジンにも少々不満だ。天気の良い日に遠出しようとしてもガソリン代を気にして走るのも悲しい。
 ハイブリッドorEV狙いで検討してて結局中古のガソリン車を選んだ。なんでそんな燃費の良くない中古車を高く買ったのか激しく後悔した。オレの心はどうにかなっていて悪魔に取り憑かれていたのかもしれない。
コミコミで199万円。並の中古車なら4台分だ。

  ここで考える。車の値段はいくらが妥当なのか。

 ①本体価格 これは10年間中古を乗り継いだ経験から言えば50万が妥当だと言っていい。それ以上かけるのはもう趣味の世界か見栄のためなのだ。
 ②燃費 並の小型車でも実燃費が15km/L、ハイブリッドだEVだとなれば20~30km/Lが当たり前らしい。
      年間15000km走ると計算してガソリンが140円とする。
                 車種      実燃費   使用燃料  ガソリン代  差額(年間)5年間
   ティアナJ31       8km/L   1,875L      262,500                 0
   インプレッサG4awd 13km/L          1,153L         161,420         ( 101,080)   505,400円
         ノートe-power    22km/L              682L         95,480           (167,020)   835,100円
     
 リッター13kmの燃費は今どき良くはないが、8kmに比べたら1,6倍走れるのだから良しとする。
 

 ③ 安全装備と4WD
  こだわったのがコレ。うっかり追突したり、コンビニに車に乗ったまま入店したり、雪道で田んぼにダイブしたり、居眠りしてて轢いたりぶつけたりがかなりの確率で回避できるらしい。最近ぼんやりしていて、ハッとすることも少なくないので最新の安全装備はどうしても欲しかった。
これで事故が回避できれば自車の修理代の分だけお得になる。30万も見ておくかな。

 ④ 車検や修理
 2年落ちならあと3年は新車保証が継続。今のは15年落ちなのでこれから何かと出費が増えるかも。今後5年を考えれば20万くらいは浮くのではないか。

 ⑤自動車税差額 ワンランク安くなるのと超過料金がなくなる。12,500円✕5年=62,500万円


①500,000+②505,400+③300,000+④200,000+⑤62,500=1,505,400円

これだけの付加価値の合計は150万ってところか。買値との差額は484,600円、つまり50万近く贅沢な車を買ってしまったわけだ。あとはせいぜい、いい車乗ってるねと感心してもらうしかしょうがない。
 
 他人に羨ましがられるのはプライスレスなのだが、あえて金額に換算するならばツイッターの「イイね」が10円で買えるらしい。もっと安い業者もあるらしいが、10円として計算すると残り足りない49万円分を「イイね」してもらうと4万9千人に「イイね」してもらわないと割に合わない計算だ。週3回ほど、年にすると144回、5年で720回のお出かけのたびに平均63人以上に「イイね!」と感じてもらわなければいけない計算だ。
どちらかといえば不人気車に近い中小型?セダンだけに厳しい数字だ。「まあ、素敵なオジサマが乗ってる…」と俺を含めた付加価値で勝負しても厳しい数字だ。
「イイね!疲れ」に陥ってしまいそうだ。
乗り込む時に、エンジンをスタートさせるたび、アクセル、ブレーキ、ハンドリング、もろもろの操作のたび、乗り心地やらなにやらすべてにおいて自分で48,460回の「イイね!」を唱えて優越感にひたれば済むことなのだ。

 ひと月もかかって納車された車は評判と違って意外と普通な乗心地だった。「今後100年他者の追従を許さない至高のプラットホーム」とか「2ランク上の奇跡の乗心地」やら、「地を這うような安定した究極の走り」やらなんやら書いとる評論家気取りの連中は普段どんな車に乗ってるのやら。
たっぷりと鼻薬でもかがされたのだろうかと勘ぐってしまう。

 15年前の日産車は下取り1万3千3百円。13万かと一瞬喜んだおれの顔はさぞかしマヌケだったに違いない。俺が安全装備付きの車が欲しいように、今売れるのは安全装備付きかハイブリッドばかりで昔の自動ブレーキすら無い車は欲しがる人がいないらしい。
せめて試乗してから買えばよかったよなぁ。

 今朝は夜明け前から起き出してエンジンをかけると新しい中古車で栗拾いへ出かけた。
2時間もしないでボウルいっぱいの大きめの柴栗を持って帰ることができた。栗拾いに出かけるぐらいは難なくこなす十分な性能を持っているのだ。まあこんなところで我慢するしかないのだろう。