花だより みをつくし料理帖 特別巻がやっと出ました ※ネタバレ有り

 北川景子黒木華でドラマ化もされた人気シリーズの番外編がでました。
ネットで注文しようかとおもいつつ、待てないすぐ読みたい配達が待てない、本屋に駆け込もうとしても近所のTSUTAYAはDVDと漫画レンタルだけになってしまったし、隣町のSCまで出かければ運悪く改装中。むかし通った覚えのある本屋はみんな消滅していた。結局5kmほど行った街はずれのTSUTAYAへ。いつの間にかドトールコーヒーとファミマに侵食されてスペースが狭くなってるが探しやすいし落ち着く、なにより本が売ってるだけでもありがたい。レジで会計するといろいろなサービス券をたくさん入れてくれる。なるほどリアル店舗はサービス満点、使わなくても栞代わりになるだろう。

 大抵の場合、続編とかは期待が大きすぎるため、開いてみてがっかりってことが多いのですが、今回も例に漏れず、ちょっと残念に感じてしまいました。

 あっさりしていて読みやすく、それでいて読者の心をつかみ、爽やかな読後感を得られるのが髙田郁の持ち味だったような気がするのだが。
新作の呉服屋のシリーズでは淡々とした描写でさくさく進むようになっていて、そんな作風になってきたのかなと思ったら、この作品ではまた違いました。

 一話目
懐かしの顔ぶれがそろってどんな話が繰り広げられのやら、と想像をめぐらして読みすすめると……
これでいいのか? 水原東西まで登場させてこれかい。
まああれだ。こんなのもあるいはほのぼのしてて良いのだろう。番外編だし、料理で言えば前菜。これでお腹いっぱいなっちゃぁ困る。めくるめく感動の嵐につつまれるところをあえて省略したに違いない。
 
 二話目
小野寺数馬(小松原様)の登場。さあ、どんな嫁さんをもらったのか、ふたり仲良くやっているのかと色々気になるところです。数馬に心を開けない嫁の苦悩がひたひたと描かれていますが、これがちょっとくどく感じます。クレヨンしんちゃん曰く「しつこいおあじ」ってとこか。正直高田はそれほど優れた文体で魅せる作家ではない。深い人情話をわりとあっさりと料理して深い余韻を感じさせるのが持ち味のような気がするのだが。
もちろんいい話なのだが、くどすぎる描写に辟易して最後の感動シーンまで気力がもたなかった。

 三話目
野江の登場です。野江ちゃん記憶喪失だったの?又地はそんな悪いやつだったの?というか設定変わってない?
数々の疑問を残しパラレルワールドや作者自身も設定を忘れた可能性も秘めつつハッピーエンドです。よかったね野江ちゃん。

 四話目
いよいよ澪の登場、これが見納めです。
大阪じゃ「みをつくし」は思ったよりこじんまりと営業してたようですね。入り切らないほどの客が押し寄せるとか料理番付でトップ争いをするとかでなく、一般のお客さんに地味に愛させれて静かに営業してるお店のようです。それはそれで良いのですが、ちょっと想像と違ってがっかりです。
ここでは玄斎先生の苦悩が描かれています。例によって料理が解決するし、感動的な話なのですがラストを飾るにはショボいような。これで読み納めというのならもっと打ちのめされて再起不能になるぐらいドガンとやってほしかった。

 悪くはなかったかもしれないが無くてもよかったかな特別編。
前評判の高い鳴り物入りの映画を鼻息荒くして封切り一番に見に行ったら拍子抜けしたって感じでしょうか。
最終巻で予告されてから4年の月日が経ってますからね。いやがうえにも期待値MAXで望んだせいで感動が薄れたのかも。レビューはおおむね好評で皆満足してるよう。まあ、落ち着いた頃にまた読み返すとしましょう。あらたな感動があるに違いありません。
 あとで知ったんですが、となりのドトールコーヒーTSUTAYAの本を一冊借りて持ち込むこともできるらしいです。そこまでするのかTSUTAYA。時代がここまで来ていたとは。648円で朝カフェセットBクラブハウスサンドを頼んでお釣りが来たってわけだ。今度から微妙な感じがするときはそうしよう。